雨のち晴れ
1章・出会い
「おはよう美穂。今日はまちに待った入学式ね!」

ニッコリとお母さんが笑う。

「おはようお母さん!」

私も笑顔で挨拶を返す。

そう、私は今日から高校1年生。

私の名前は上野美穂。

中学の時、学校ではあまり目立たない存在だったので、春からは改めて性格を明るくし楽しい高校生活を送れるように決意した!

「いい、顔してるじゃない!たくさん友達作れるよう頑張るのよ。」

「ありがとう。お母さん。じゃあ行ってきまーす!」そう、明るく返事して家を出た。

入学式が始まり………「今日から君たちは聖桜学園の生徒の一員です! 規律を守りながら部活動や勉学に励みましょう!」

ーーーーーーパチパチパチパチパチ

校長の長い挨拶が終わり、次は新入生代表だ。
(新入生代表って、確か入試で一番点数良かった人がするんだよね?すごいなぁ!)

そう、感心していると周りの女子生徒達がザワザワし始めた。

「裕也君はやっぱりカッコいいねー!」
そう言いうっとりとした顔で女子たちが見つめる先には高身長で他とは違うオーラが出ている彼がいた。

(うわぁ、カッコいいなぁ)
たしかに、女子達が見惚れてしまうのもわかる気がする。そのぐらい彼は魅力的だったのだ。

ーーーーーーーーー入学式も終わりそれぞれのクラスへ生徒達は教室へ移動し始めた。

廊下には10クラス分のクラス発表が出ていて、かなり混雑していた。

私は9組でけっこう遠いので、なかなか前へ進めない。

そんなこんなで、戸惑っていると周りが急に一点を見つめ道を開けはじめた!

何事かと思い振り返ると、彼だった。今日挨拶をしていた小野裕也君だった。

彼は廊下のど真ん中を堂々と歩き、近くでみるとかなりのイケメンだと思った。

彼は近くでみるとなおさらイケメンだと思った。

そして、あろうことに彼は私と同じクラスだったのだ。
彼は9組の教室へと入っていった。

彼が通りすぎて静かな空気になったが、彼が教室へと入っていった後は廊下が騒がしくなった。

「やっぱり、裕也君かっこいいよね!」

「頭が良くて顔も良いってほんとに完璧だよねー!」
また、沢山の女子がうっとりと9組の教室を見つめて、そう言った。

(すごい、人気だなぁ!小野裕也君。)
また、私は彼に感心してしまった。
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