幼なじみはイケメン4人組


「ミサ」



旬ちゃんが、ゆっくりと私を見た。



「なんで、俺と美玲をくっつけようとするんだ?」



……『なんで』?

そんなの決まってるじゃん。


二人はお似合いだからだよ。

楽しそうに笑ってたし、幸せそうな雰囲気だったじゃん……。


旬ちゃんこそ、なんでそんなことを聞くの……?



「……私と一緒に居る時よりも、高橋さんと一緒に居る時の方が楽しそうだったからだよ」

「ミサは昨日、廊下でほんの少ししか美玲を見てないよな? ていうか、声 聞いただけで美玲を見てないよな?
なのに、どうして『楽しそうだった』ってわかる?」

「……見なくてもわかるもん」


「違うだろ。 ミサは、『見た』んだろ?」

「……」

「廊下で会う前に、俺と美玲が一緒に居るところを見たんだろ?」



それは問いかけではなく、確認のようなものだった。

旬ちゃんは、気付いてる……。

ううん、私の言葉のせいで気付いたのかもしれない。


私の言葉を受け、自分の中で色々なことを考えて、そして、辿り着いたんだ。



「体育館の舞台袖に、来たんだよな?」



真っ直ぐで、揺らぐことのない瞳。


私はその瞳から目を逸らし、涙が溢れ出しそうなのを我慢しながら小さく小さく頷いた。


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