はまきり




「ユキが困ってるだろ。」


神木の制服の襟を引っ張りユキと神木を引き離す。


神木は残念そうな声をあげながらユキから離れた。


「ユキもエントリー終わったのか?」


「はい、さっき終えたところで…」


「おーい、ユキ!」


ユキの後ろでユキに向かって男子生徒が手を振っていた。


黒い髪を肩まで切りそろえた、いわゆるおかっぱ頭で、切れ長の目をした中性的な顔立ちをしていた。


男子生徒はそのとなりにいる金髪にメガネを掛けた男子生徒と、髪をオールバックにした長身の厳つい男子生徒と一緒にユキの方へ歩いてきた。


「エントリーも終わったことだし飯でもどうじゃ…ん、この二人は?」


おかっぱ頭の男子生徒は俺と神木に気がつき、ジロジロと俺たちを眺める。


「ルームメイトの野添さんと、そのご友人の神木さんです。」


「ほぉー。ユキのルームメイトということは、中谷悠の友人か…」


おかっぱ頭の男子生徒は俺たちを交互に見て目を細める。


「申し遅れたが、ワシはユキの幼なじみでB組の早川ヒヨリじゃ。」


ヒヨリが名乗ると、そのとなりの2人も自己紹介をした。


「瀬戸光圀だ。ミッシェルと呼んでくれ。」


金髪の男子生徒はメガネを光らせながら無表情のままそう告げる。


「二組の岡本雅だ。」


オールバックの男子生徒は俺たちに興味が無さそうにそれだけ述べた。


「えっと、C組の野添桐です。」


「A組の神木レイっす!」














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