鬼主
「それにしても、外は危険だと聞いたが、魔族は出てこないのだな」


「そう簡単には出てきませんよ、ギル様。一応こちらには弱そうではありますが鬼主がいるのです。魔族も迂闊に手が出せないのでしょう」


「そうか、そうか。フェイド卿」


「なんでしょうか?」


「あの娘を僕専属の鬼主にはできないのだろうか?」


「残念だけど、それはできないよ?ギル・ライオス様。」


いつのまにいたのか。

窓から顔を覗かせてる銀髪の青年がにっこりと微笑みそう言った


「…どういう意味だ?」


ギルがそう言えば、


「僕の主人、コトノ・ロスターは同じ依頼人の依頼は絶対に受けないし、誰かの下につくことをものすごく嫌うんだ」


「……ヒナタ、余計なことは言わなくていい」


「ま、まて!金ならいくらでも出す!不自由もさせない!!だから」


「ならない。依頼は一度のみ、追加は認めない。貴方が私に依頼した内容は隣街のフィズまでの護衛のみ。それ以外のことは以来内容には入っていない」
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