マンガみたいな事が起きました。


ソファーの前にあるテーブル。


そこに出された“婚約届け”


「え?」


まだ出されてなかったの?


「渉くんがね、もし舞が自分を好きにならなかったら……って考えた案なのよ。
舞は最初から渉くんに愛されてたのね」



どうしてそんな優しいの……。



また嬉し涙が出て来ちゃったじゃん。


あたしは嬉しさで滲む視界をクリアにして、自分の欄に判子を押した。


「これで……っ、
舞が……、正真正銘のっ、、、
僕の娘じゃなく、、なく、なくなった……」


あたし以上に泣きじゃくるお父さん。


お母さんも涙を浮かべて
お父さんの方をさすっていた。




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