ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
確かに、それはそうだ。
初めて会ったときに、手にキスをしたり。
ダンスの練習に何故か付き合ってくれたり。
でも頬にキスしてきたんだった。
それに、パーティーで横からダンスの横取りをしてきたり。
でも、それだけじゃなくて、呪いも払ってくれた。
全てが予測不能で、掴めない。
「私もどんな人かよくわからない・・・」
「それなら素直に感謝の気持ちを伝えて、なにかお礼をさせてと言ってみたらどうですか?」
変なものをあげるより、それがいいかもしれない。
「そうしてみる!」
ーーーコンコンッ
タイミングよく扉が叩かれた。
「きっとハジ殿ですよ! 私は出ていますから、どうぞゆっくりお話になってください」
そう言ってミーシャが扉を開け、笑顔でお辞儀をしながら出て行った。
「もう具合は良くなった?」
代わりに部屋に入ってきたのはハジだった。