ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜

城の中の最上階ということもあって、人気がない。この城の警備は4階までだと以前レヴァノンが言っていた。


静か過ぎて、不安になるーーー


とりあえずテトの部屋の方向とは逆向きに歩き出した。


日当たりの良い廊下は絵が多く飾られており、花もいけられている。

彫刻も多く、美術館のようだ。


草花の絵、果物の絵、人物画。

動物、人間などの彫刻。


本来の目的を忘れそうになりながら、ひとつひとつをじっくり鑑賞した。


「あ・・・」


漆黒の瞳は、一枚の絵の前で留められた。

それは、純白の衣装を纏った少女が、満月の夜空の下で歌っている絵ーーー


「これって、もしかして・・・」


ゆのが思い立って振り返ると、そこにはもう一枚の絵があった。

城のテラスから、何かをじっと見つめている男性の絵ーーー

男性の目線の先には、純白の少女がいた。

廊下の左右に飾られた絵は、一対の絵だったのだ。

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