ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
「ユノ様!」
「ユノ様!」
あちこちの貴族から名前を呼ばれて、話しかけられる。早くオズのところに行きたいのに・・・。
「みなさん、失礼するよ」
その言葉とともに、人垣が割れた。聞き慣れた声だ。
「・・・テト」
いつも素敵だが、今日は銀色の髪が映える濃紺の服を着ていて、いつもよりもかっこよく見えた。
「先程は母様を止められなくて悪かったね」
小声で囁いてくる。
「ううん。大丈夫」
テトは何も悪くない。クレア王妃を止めようとしてくれてたもの。
すると、テトはその場で跪いて、ユノの左手を右手でそっと握った。
優しさを称えたブルーの瞳で、ユノを見つめる。
「ユノ・ヒーラギ様。私と一曲踊っていただけませんか・・・?」
その瞬間、周りがざわついた。
たった今、クレア王妃に認められたオズヴェルドの側室を、オズヴェルドより先にダンスに誘っているのだから当然だ。