チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)
「……なんか、グチャグチャで何言ってるのかわからない感じだったかもしれないけれど、でも私っ……──」
「咲良」
「──あっ……」
YUKIの口を塞いでいた右手が、優しい力で外される。
「……『ちっぽけな世界に閉じこもったまま一生を終えるか、広い世界に飛び出して生きていくか、それはサクラ次第』」
「え?」
「前に……俺は桜子にそう言ったんだ」
掴まれていた右手を引かれ、そのまま私は、YUKIの腕の中へ……。
「今は、俺が飛び出さなくちゃいけないね」
「YUKI……」
「俺は咲良を想ってる。 咲良だけを想ってる」
私だけを想ってる。
耳元で放たれたその言葉は、今までのどんな声よりも優しくて温かだった。
「……ありがとう、YUKI」
「名前で呼びなよ、さっきみたいに」
「……本当にありがとう、秀一さん……」
「うん。 俺も、ありがとう」
はらはらと雪が舞い落ちる世界で、私たちは2度目となるキスをそっと静かに交わした。