桜が舞い散る頃に・・・ (完結)
「なんたって、梓が惚れた子だからね」
「っ・・・ぅぁ・・・」
ギュゥ
「っ!」
今にも泣きそうになるが、我慢する。そこを彰宏がそっと、包み込むように抱きしめる。
「我慢しなくていいんだ。悠太君、君が今一番辛いはずなんだから・・・」
「っ・・・ですが・・・僕には・・・そんな、資格はありませんっ」
「辛くて、泣きたいのに、資格とかあるのかい?」
彰宏は悠太を諭すように、背中を撫でる。
「そういう時は、我慢する必要はないんだよ?さぁ、泣きなさい」