危険なアイツと同居生活
「あたし、あんまりファンではなかったけど、『You and I』を聴いてファンになったんだ」
そう言う芽衣に、
「ヤバいでしょ?
五十回歌詞を書いて、やっと合格もらえたんだよ?」
なんて笑っている蒼。
五十回も歌詞を……
優弥さん、スパルタすぎる!
あの曲にはそんな背景があったんだ。
「それより蒼君、大丈夫なの?」
詰め寄る女子たちに、
「へ?」
相変わらずのんきな反応をする蒼。
そんなとぼけた蒼に向かって、女子はあり得ない言葉を吐いた。
「『太ったおっさん』。
ユーチューブで映像が出回っていて、今超話題になってるよ?」
「えぇ!?」
太ったおっさん。
それは、Fの前身となったふざけたバンド。
クールなFとは違って、かなりおちゃらけたグループらしい。
Fとなったメンバーは、その過去を封印していたはずだけど……
「嘘でしょ、そんな……」
蒼の顔は少し強張っている。
だけど、
「見る?」
そう言って誰かが携帯でユーチューブを開いた。