危険なアイツと同居生活
黙っていても仕方が無い。
待っていても変わらない。
優弥さんが言いにくそうにしているから、あたしから言ってやる。
先手必勝。
あたしは、絶対蒼から離れない!
「あたし、蒼が初めての彼氏です。
正直、はじめはすぐに捨てられるかと思いました。
あたしは平凡で、ただのファンだから」
一回口を開くと、とめどなく思いが溢れてきて。
あたしの口は次々に言葉を発する。
「でも、優しい蒼と一緒にいるうちに、碧じゃなくて蒼に惹かれていることに気付きました。
子供で、動物みたいで、素直で、まっすぐで。
あたしはそんな蒼が大好きです」
優弥さんは顔を上げ、煙草の火を揉み消した。
辺りに白煙が立ち込めていた。
「Fに迷惑をかけていることは分かっています!
あたしはFのお荷物だって。
でも……」
溢れ出る涙を我慢する。
「でも、蒼を諦めることは出来ません」