危険なアイツと同居生活
慣れないパンプスを履く足が悲鳴を上げる。
タイトスカートが邪魔をして、上手く走れない。
だけど、蒼から一刻も早く離れたかった。
蒼を見るたびに、あたしは特別ではないと分かってしまう。
蒼と暮らしたって、蒼があたしに優しくったって、それはただの自己満足。
あたしの得意な妄想。
「ねぇ、君?」
不意に声をかけられた。
振り向くと、そこにはピシッとしたスーツを着た男性。
だけど、歳はあたしよりずっと上たろう。
だから、きっと新入生ではないはず!
「ねぇ、君。
読者モデルに興味ない?」
彼はあたしにそう言った。