いつか、また会える日まで。
「お母さん、薬の量増えた。悪化したって」
帰ってすぐに報告することになっている結果。
お母さんには待たせてしまうから、家にいてもらうことにしているんだ。
「ねぇ、加菜。あんた、走ったでしょ。」
お母さんが声のトーンを低くして言った。
「いいじゃん、別に」
いいじゃん、走るぐらい。
まぁ、薬の量が増えるのだけは嫌だけど。
どーせ、クラスにも友達いないんだし、こんな気にしてくれるの小坂先生とお母さんだけだもん。
「あとさ、学校辞めたい」
心に決めたことを言った。
イジメがあるから。
もう、あんなところになんて行きたくない。
「え?」
お母さんは、目を見開いて聞き返す。
「先生も友達も頭おかしいもん。自由になりたい」
「そう。……じゃ、転校しなさい!いいとこ知ってるのよ」
「え、嫌」
「まぁ、そう言わずに!早く、早く♪」
お母さんの反応は、予想とは反して意外とあっさりしていた。
でも、なんで?
行ったって意味ないじゃない。
どうせ死ぬんだよ?
全く役に立たないのに。