恋色花火


目が覚めたら、もうお昼になろうという時間だった。


両親が働きに出ていて一人のあたしは、食欲がなくなんとなく着替えようとした。


だけど、目に留まったスマホに光が見えて、つい動きを止めてしまった。



新着メール、一件


それはユウヤからのものだった。




『ごめん、電話何のようだった?
 あと変なのが電話に出てごめんなー』




絵文字の代わりに顔文字を使った、いつものユウヤの文面。


だけどそのメールでさえ、あたしを動揺させるには十分だった。



そのメールが入ったのは、あたしが電話をかけてしまった約一時間後。


今からは12時間も前のことだ。



……なんて返せばいいのだろう。


こんな中途半端な時間に……!

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