日本暗殺
上体をおこした希里斗が、月明かりに光る川の流れに視線をおとす


「そうらしい…だから、だから俺には、時間がない」


「わかんない!全然わかんないよ!どういうこと?!」


湧き出てくる感情の荒波が、私の声をあらげる


「…多発性骨髄腫」


「…」


「癌だよ。…血液のね」



驚愕のあまり口を押さえた私の目から、涙が溢れんばかりに零れ落ちたのは、そのすぐ後のことだった


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