愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「ありがとう、先生」
『先生?』
「だって、先生なんでしょ?」
『確かにそうだけど、君の先生にはなりたくないなぁ』

ニコニコしながら"ケンゴさん"は私を見て言った。

『君は、きっといい出会いがあるよ。あ、そのハンカチ、今日出会った記念に君にプレゼント。じゃぁね、"うさぎちゃん"』
「あ、ありがとう」

"ケンゴさん"に聞こえるかどうかわからない声で私は言葉にしたけど、聞こえていたようで、背中を向けながら右手を挙げてくれた。
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