愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「本当?こんな私とデートしてくれるの?」
『当たり前だ。目をよく冷やせよ』

それから、健吾さんはお母さんとの約束通り、日付が変わる直前に家に私を送り届けてくれた。

帰りの車の中では

『来週の日曜日は区民まつりだろ?ちゃんと俺の言ったことはできてるのか?』

とか

『センター試験は社会科を2科目選択してくれよ~。俺がスパルタで教えてやる』

など、健吾さんは饒舌に話してくれたけど、私の心は晴れなかった。
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