愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『しょうがないよ。当然の報いだ』


「いいんですか?」


私はノリさんが少し寂しげなのを感じ、思わず口を挟んでしまった。


「家族って、そんなに薄い繋がりなんですか?小さい時、一緒に笑い合ったり、抱っこされたり、お風呂入ったりご飯食べたり、お父さんお母さんと毎日してきたわけでしょ?今、ノリさんはそれを大和くんとやってますよね?それなのに自分の美学の狭さで、それにはまらなかったら大事な自分の息子を追い出しちゃうの?私はそんなの、納得できません!」


『玲奈、やめろ』


健吾さんが冷静に私をなだめた。


『いや、玲奈ちゃんの言う通りだと思う。大和と過ごしてきて、家族の大切さがわかったんだ。でもこればっかりは、僕の父の気持ちもあるし、僕ひとりではどうしようもないんだ』


「それは、諦めです。大和くんのためにも、やっぱり家族との繋がりを取り戻す努力は、必要だと思います」
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