愛されることの奇跡、愛することの軌跡
いくらじいちゃんばあちゃんが近所にいたって、父ひとり子ひとりには変わりないし、いつか大和くんが誰かの力を必要とした時、ノリさん以外の家族に頼ることができるならば、大和くんの将来における人生の選択の幅が広くなるはず。


『ありがとう、玲奈ちゃん。君なら、きっと健吾を救ってくれるよ。健吾も、いい子に出会えてよかったな』


気がつけば、暗くなり始めた。


『あ、もうこんな時間だ。ノリ、長居して済まなかったな』


『あれ、てっきり夕御飯までいるかと思っていたのに』


『ごめん。この後、予定があるんだよ』


"ね?"と私に同意を求めた健吾さんだったけど、私は予定を聞いてないからさっぱり分からずキョトンとしてしまったと思う。
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