愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『少なくとも、ナルガク高等部を玲奈が卒業するまでは、この関係は絶対秘密にしなければならない』


「私、分かってる。美郷たちを見てるし」


『ちょっと辛いかもしれないけどな』


健吾は私の髪を撫でた。


「でも正直、それどころじゃないよ。私、健吾と釣り合うために、東都大合格目指して頑張らなきゃ」


『釣り合いとか俺にはどうでもいいけど、それが玲奈のモチベーションになってるなら、まぁ、いいか』


健吾はそう言って笑った。


『勉強、大変だろうけど、時々、俺に充電する時間をくれないか?多分、玲奈が足りなくなる』


「うん。きっと健吾がそう思った時は、私も一緒だから」


『可愛すぎ、玲奈』


と、私をギュッと抱きしめ、体を離すと、大人の深いキスをくれた。
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