愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『もうひとつは、今日、せっかくだから一緒に会食でもと考えていたのに、ふたりとも、このあとは金澤さん家に行きなさい』


『は?』


「うち、ですか?」


『そして健吾、お前は向こうのお母さんに怒られてきなさい。私は知らんぞ。玲奈ちゃんの親に言わないでいたお前が悪いんだからな』


え?


何のこと?


「怒られるって…」


『とにかく早く行った方が良さそうだな』


私達はお父様に挨拶して、部屋を出た。


あまりに大きな玄関には、斉木さんと…もう1人。


『こんばんは』


「こ、こんばんは」


この女性、どこかで見たことがある…


あ、わかった。ゴールドヘブンリーホテルで見た、ワイン片手のあの人だ。
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