愛されることの奇跡、愛することの軌跡
*お母さんの怒り
車はうちに到着した。


「ただいまー」
『こんばんは』


すると、ちょっと怖い顔をしたお母さんにリビングに行くように言われた。


『ちょっとアンタたち、ここに座りなさい!』


どうやら、私も怒られるみたいだ。


私達は、リビングのソファーに腰掛けた。


『なぁ、そんなに怒ることか?健吾くんだって考えがあって隠していたんだろうし』


お父さんが先になだめるけど…


『あなたは黙ってて!ねぇ、健吾くん。さっきね、あなたのお父様からご連絡を頂いたの。"お近づきのしるしにお食事でもいかがですか?"って』


お父様が?


時間的に、私達が会うより前の話だよね。


健吾を見ると、お母さんが怒っている理由に確信を持った様子だった。
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