愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『俺が教えてあげてもいいんだけど、なかなかまとまった時間が取れなくて。それとも今日この後やる?』


「えー?嫌だぁ。今日は健吾の誕生日だよぉ」


私は足をバタバタさせた。


本当に嫌なんだもん。


今日の私の頭は健吾モードなの!


「数学は、陽平に教えてもらうからいいもん」


私の言葉に健吾は明らかに不機嫌な顔をした。


『俺の誕生日に他の男の名前出さないでくれる?』


「いいじゃん。陽平だよ?このみちゃんにベッタリな男なんて眼中にあるわけないでしょ?」


『それでも、イヤなの』


健吾は口を"へ"の字にした。
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