愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『実は、うちは首都圏に30万部ほど発行している無料タブロイド紙を編集している会社なんですが、そのひとつの連載コーナーで"今週のカップルみーつけた"というタイトルの、イケメンイケジョのカップルを紹介するものがありまして、ぜひ、おふたりを撮影させていただきたいと思いまして…』


えー?


カップルで?


健吾と?


タブロイド紙に載っちゃう?


無理に決まってるでしょ。


『面白いけど、タブロイドでさらされちゃうのは、マズいかな』


健吾は苦笑いするも、食い下がってくる。


『先程から見てましたけど、おふたりは凄く絵になるんですよ。カッコいいですし、お美しいし』


健吾と私を手で差しながら言う。


「私達、写真は無理です」


『そこは、キレイに撮影しますから』


『まぁ、あなたとは縁がないと思いますよ』


健吾はそう言うと、私にキャスケードを被せて、サングラスをかけ、自分もサングラスと帽子を装着。
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