愛されることの奇跡、愛することの軌跡

・ホテルで出会った健吾の先輩

そのうち…


気がつけば、地下の駐車場に停まっていた。


私、寝ちゃってたんだね。


虚ろな目でその景色を見た途端…


健吾に触れるだけのキスをされた。


柔らかい感触に私は一気に目が覚めた。


『さ、玲奈、ここで降りるぞ』


「ここ、どこ?」


『横浜のゴールドクラウンホテルだよ。ここも、成瀬川グループの企業でゴールドホテルグループのひとつ』


健吾はエレベーターで"41"のボタンを押しながら、私に説明してくれた。


『ここは眺望がいいし、レストラン部には俺の高校の先輩が働いているから、良い席を押さえてもらえた』


押さえて貰えるって、別に健吾の立場なら、いくらだってやって貰えるだろうに。


最上階のレストランは、確かに横浜の街を一望できる、素晴らしい景色だ。

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