愛されることの奇跡、愛することの軌跡
大人のカップルなら、ここでワインで"チーン"なんてやるんだろうけど、健吾は車だし、私は未成年だし。


だから、ワイングラスのお水で乾杯。


「25歳のお誕生日、おめでとう。何か健吾の誕生日なのに、私、今のところ何もしてないよね」


『いいんだよ。これ、くれるんだろ?』


と、手に持っていたのは私が今日持ってきた紙袋。


ちょっと、いつの間に?


しかもそれはここで開けてはマズいもの…


「それは、今ここでは無理なの。後でね」


ヒョイっと私は紙袋を取り上げた。


『何だよぉ。この後、ここのひとつ下の階に泊まるから、その時に期待していいの?』


「うん…」


すると"お話し中失礼致します"とホテルの人が来た。
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