愛されることの奇跡、愛することの軌跡

~side KENGO~

《side KENGO》


俺は、階段を昇って、屋上に出た。


アイツら…いた。


あんな奥にいるのか。


ゆっくり見つからないように歩き、俺はタンクの裏の段差に腰掛けた。


アイツらはこのタンクの反対側にいる。


『俺達、中学生の時から吹奏楽部で一緒だったけど、お前に浮いた話がなかったのは何故だ?』


『好きな人、いたから』


『お前に告白する先輩後輩同級生、たくさんいたけど全く誰にも靡かなかったよな』


『…』


『玲奈、俺には靡いてくれないだろうか』


『トムに?』


『俺、玲奈のことが好きなんだ』


やっぱりね。


沼尻が"青春の思い出"って言うから予感はしてたけど、案の定、玲奈にしてみれば久々の告白現場。


『トムって彼女いなかったっけ』


『2週間前に振られた』


沼尻は確かに小顔のアイドルタイプの甘い顔したタイプ。
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