愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『あ、あった、あったよ!陽平』


このみちゃんが先に見つけていた。


私達も番号を確認し、"キャー!"と陽平に抱きつくこのみちゃん。


でもすぐに我に返った。


陽平に


『喜ぶのは玲奈の結果を見てからだ』


と言われたから。


そんなやりとりの間に私が受けた文科二類も掲示されていた。


このみちゃんが人混みをかき分けて先回りする。


『あ、あったぁ。玲奈さん、あったぁ』


声は聞こえるけどこのみちゃんの姿が人混みに紛れて見えない。


『もう、しょうがねーなぁ。普通、受けた人間が先に確認するものだろうに』


私達は時間差で掲示版の前に来た。


私の番号…あった!


このみちゃんのおかげで落ち着いて見られたよ。


すると、横から抱き付かれた…このみちゃんに。


『やった!ふたりとも受かったよ!おめでとうございます!』


『お前、暴走しすぎだろ?』


『だって、嬉しいんだもん。私も来年頑張るからね。この大学はムリだけど』


「応援してるからね」


『はい!』
< 480 / 548 >

この作品をシェア

pagetop