愛されることの奇跡、愛することの軌跡
*謝恩会
謝恩会当日―


毎年の恒例で、みんなドレスアップをする。


しかし、私は、パンツルックをチョイス。


何故なら、吹奏楽部の有志で演奏をすることになっていたから。


アルトサックスにドレスは合わないでしょ?


そんなわけで七分丈の黒のパンツに上は白いシャツ。


でも、少しだけお洒落して網タイツを履いてみた。


髪はお団子にアップ。


試験後からの練習なので、十分とは言えないけど…


しかも、アレンジをしてくれた陽平が、どうしても卒業生だけでサックスのアンサンブルをしたいと。


通常は4重奏とか5重奏だけど、うちの学年はサックスパートがバリトンサックスのガタイのいいイッちゃんと、陽平と私だけ。


本来なら、アルトサックスかソプラノサックスのプレイヤーが必要なのに、何故か3重奏で練習。


大丈夫かなぁ。音に深みが足りないよね。


2年生のカオリちゃんあたりにヘルプを頼めば良かったのに。


しかも、謝恩会の最後の方の順番にされるし、ちょっとプレッシャー。


陽平に誘われて引き受けた出し物。


最後の思い出にって思ったけど、辞めればよかったかなぁ。
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