愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「ユウコちゃん。頭下げるならさ、私のお願いを聞いて」


『何?』


「昔に戻してよ、私の呼び方」


そう。


ユウコちゃんは中等部から一緒だけど、最初は"玲奈ちゃん"だったのに。


『そうだよね、"玲奈ちゃん"。東都大行っても、頑張って。そして、先生と仲良くしてね』


ユウコちゃんはそう言うと、私に握手を求めてきた。


「うん。ありがとう」


私はその差し出された手に応えた。


多分、健吾は私達のそんな様子を見ていたように思う。


学校を美郷と一緒に出たところで、


呼び止められた。私達の"カレ"に。


そして私達はそれぞれの胸に飛び込んだ―
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