愛されることの奇跡、愛することの軌跡
健吾は一時みんなに囲まれていた。

"授業の時も、玲奈をずっと気にしてた？"
"先生って、クールそうで、結構一途なんだね"
"先生は社長になるんでしょ？なら金澤さんは将来の社長夫人だね"


健吾はみんなのどの言葉にも苦笑い。


そんな姿を遠目に見ていたら、
『金澤さん』


ユウコちゃんから声を掛けられた。


「ユウコちゃん。全然お話しできなかったね。星恵大合格、遅くなったけどおめでとう」


ユウコちゃんとは一悶着あったから…あまり仲良く話せなかった。


『学級委員のことは、私の無駄な足掻きだったんだね。先生が、金澤さんにそんな気持ちを持ってたんじゃ、勝ち目ないもの』


ユウコちゃんはニッコリ笑った。


『私ね、あなたが羨ましかった。でも、今日の先生の話を聞いてたら、このままあなたにとって嫌な人間で終わりたくないから、今までの非礼、お詫びさせて』


ユウコちゃんは頭を下げた。
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