愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「先生、いつから美郷たちのことを知ってたんですか?」
『ん?1年前くらいかなぁ。生徒と付き合ってるって本人に言われてさ。だから、俺が3組の担任に決まった時は"くれぐれも美郷をよろしく"って徳重先生に言われたけど、木内の実物見たのは昨日が初めて』

微笑みを浮かべ、柔和な感じは、私をドキドキさせるのに十分な表情をしている先生。

『だから、合奏が終わったら、待っててもらえる?他の生徒に見つかっちゃまずいけど、俺、車だから、これ渡しておく』

渡されたのは、車の鍵。

『悪いけど、周りを確認して車に乗って、私服に着替えてくれないか?徳重先生の家に制服で行くのはまずい』
「元々、徳重先生のお家に呼ばれた時は、駅のトイレで私服に着替えてから行ってたので、分かってます。ただ、先生、いいんですか?私に鍵を預けて、車で自分の生徒に私服に着替えさせるって指示をしても」

先生はこう見えても、成瀬川家の人間でしょ?

教師と生徒が付き合ってることを

"不道徳だ!"

とか考えないのだろうか。
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