近距離幼なじみ
「じゃあね、また明日」
「おぅ」
お互いの家の真ん中あたりで
バイバイをする。
あたしは、どんなに翔太が嫌でも
このバイバイは、あまり好きではない。
昔も今も__…。
「ただいまぁー」
家に入ると、真っ暗な廊下とリビングが
広がる。
「おかえり」と声が聞こえない。
それは昔から。
あたしの家族は、お母さんだけだった。
父親は、あたしが生まれてすぐ
お母さんと離婚したらしい。
お母さんは、看護師をやっていて
お金には、あんまり困ってない
らしいけど、夜勤などで、夜は
あんまりいない。
だから昔からだいたい家では1人だった。
そんなときよく翔太んちに遊びに
行ったなぁ。
あの家族は、いつも笑顔で
あたしは、お母さんと同じくらい好き
なんだ。