近距離幼なじみ



あの雲は、なんだかメガネに似てる。


あれは、サメに似てるなぁ。



そう思いながら翔太のほうを向く。



ふと向いた瞬間、


息がとまるかと思った。




だって、


横向いたら


翔太の顔が真正面にあったから…。



「……っ…」


あたしは、反射的に反対側を向いた。



あ、なんかわざとらしかったかも。



「おい」


びくぅぅぅう‼︎‼︎

「は、はい。なんでしょうか?」


おどおどしながら答えると、


「お前さ、油断しすぎ」


「……….…へ?」


「……襲うよ?」


お、おそ、襲う?!!


「な、なにそれ!あたしだったら
翔太なんて突き飛ばせるし!
襲うなんてむりむりむりむり……」



「お前なめてんのか」



………ドサッ。



目の前は、もう青空じゃない。



目の前は、


翔太になっていた。






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