ライトブルー



 夕方、早めに夕食を済ませ、ロックフェスの会場に向かうためシャトルバスに乗ろうとしたときだった。

「……腹痛ぇ。吐きそう」

 急に浅黄が腹を押さえる。見ると顔色が良くない。

「浅黄くん、どうしたの? 大丈夫?」

「……苦しい」

 まただ。こいつは旅行になると必ず腹を壊す。

「ねぇ、浅黄くん、袋あるよ。吐いたら楽になるかもよ」

 心配している瑞希は浅黄に袋を渡す。一方私は時計を気にする。

「シャトルバス出ちゃうよ。どうする?」

「浅黄くん、行けそう?」

「うぅ……無理」

「ったく、あんたが行きたいって言ったのに、まったくしょうがないやつ。さっさと宿戻って寝てな。瑞希、行こ!」

「え……でも」

「大丈夫だよ。浅黄は旅行とか行くといつもこうだから」

「浅黄くん、独りで大丈夫?」

「……無理」

「甘ったれてんじゃないよ! いい加減にしな!」

「楓、そんなこと言わなくたっていいじゃん。かわいそうだよ。具合悪いのに」 


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