ライトブルー
結局私たちはロックフェス行きを断念した。遠ざかるシャトルバスの音が虚しかった。
「あんたの腹、ってかあんた協調性無さすぎ! うちらの貴重な週末を返せ!」
宿に戻ると、浅黄は一目散にトイレにかけ込み、それっきり出てこない。
「楓、しょうがないよ」
「これだから浅黄を連れてどっか行くのは嫌なんだよ!」
「慣れない場所が苦手なのかな。それとも私がついてきたからかな」
「いや、瑞希には何の責任もないから大丈夫」
「そっか……浅黄くん、なかなか出てこないな」
「でも瑞希が一緒でほんとよかった。ごめんね、あんなダメないとこで」
「ううん。ダメじゃないよ。浅黄くんはきっと、ほんとはすごく繊細なんだよ。だからお腹壊しちゃったんだね」
瑞希、心広すぎるよ。