Be happy!

暫し固まっていた松原主任が、そっと口を開いた。



「そうだけど、水野さんも?」
「はい、猫舌です、かなり重度の」
「重度?」



くすっと笑って、慌てたようにカップをテーブルに置く。口元を手で覆って伏せた横顔が、ゆっくりと綻んでいくのが見えた。



私、何かおかしなことを言った?



「松原主任? どうしたんですか? 私、何かおかしいこと言いました?」
「いや、重度なんて言い方、初めて聞いたから可笑しくて」
「でも、ホントに……、すごい猫舌なんですよ、コレも熱すぎてまだ飲めないから……」



と言って、視線を向けたカップをテーブルの上に置いた。



自分だって猫舌なのに、そんなに笑うことないでしょう。



と言いたいのを堪えて俯いた瞬間、肩に圧し掛かる温かな重み。確かめようと振り向いた肩に、大きな手が載っている。



強く引き寄せられて傾いた体は、松原主任の体にもたれ掛かる形で止まった。


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