Be happy!

「麻美さん、ありがとうございます。私、全然悲しくなんかないんです」



と言うと、麻美さんは思った通り。
『え?』と言いたげな顔をして、ゆっくりと唇からグラスを離した。
やっぱり、勘違いしてたらしい。



「悲しいよりも悔しいんです。本当に腹が立つ……嘘をつかれたことが一番」



強がりじゃなくて本音。



どうして嘘をついてまで、あの子と会っていたのか。あの子を部屋に連れ込んだのか。私には『合鍵を渡すのは結衣が初めて』とか言っていたのに。



最近、出張が多いと思っていたけど、本当は全部嘘だったのかもしれない。



「嘘をつくのはサイテーだけど、結衣ちゃんのことは本気だったんだよ。嘘をついて引き止めておきたいぐらい」



麻美さんは慰めてくれるけど……
本当に、そうだったのなら悪くない?



嘘をついてまで、私を引き止めておこうとしてくれたのなら許せる?



いや、許せない。
悪くない訳がない。




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