空の誓い、海との約束
『あの時大臣達の言う通り、国に凶事をもたらす忌み子として処刑しておけば良かったのですよ、王妃様』

 聞こえてきた、扉の向こうで交わされている会話。

『私共もシエル様のせいで恐ろしい目に遭いましたし。国王陛下もどうして大臣達の進言に耳を貸さなかったのか』

『せめて地下にでも幽閉しておけばこんなご苦労をなさらずにすんだのに』

 僕の、話?

 僕、みんなに何か悪いこと、したの?

 しょけいって、ゆうへいって、何のこと?

『……私だって欲しくなかったのよ、シエルなんか』

 母様の啜り泣きが聞こえた。

 右手から、くまちゃんの手が離れて冷たい廊下に落ちた。

 硝子が叩き割られたような音が耳の奥で歪んで聞こえた。


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