空の誓い、海との約束
「もし舞踏会に戻らないなら、このままゆっくりしていって、シエル。それと、リフの話をもっと聞きたかったらダグラスに聞いたらいいわよ。彼は私よりリフの事知ってるから。なんたって親子ですもんね」

「陛下」

 不機嫌そうに眉間に皺を寄せた老兵に笑いかけ、陛下は退出された。扉が閉まる前に一言、こう言って。

「さっきの謎解き、次の夜会までの宿題ね」




 後に残された僕は部屋に戻ろうかどうしようか逡巡していた。陛下の意味深な発言の連続に頭がパンク寸前だし、ダグラスは黙ったままで怖いし。

 ただ、どうしても彼について知りたいことがもう一つあったので、僕は思い切って老兵に話しかけた。

「あの、ダグラスさん」

 眼鏡の奥の眼がギロリとこちらに向けられる。止めておけば良かったと後悔した時、ダグラスは小さく鼻を鳴らした。

「街で会った時と同じように話せ。その方がこちらも気が楽だ」

 命令口調だった事に少し驚いたけれど、僕もその方が気楽だった。ダグラスに敬語を使われたら気持ち悪くて話し辛い。

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