空の誓い、海との約束
「ありがとう、シェリフ。とても助かったわ」

「お役にたてて何よりです」

 おどけてお辞儀した僕の手を取り、お姉さんは掌をじっと見つめた。何だ、今度は手が気に入らないのか?

「これ、どうしたの?」

「あだっ!」

 お姉さんに指先を摘ままれ、僕は思わず声をあげた。

「さっきから気になってたの。膿んでるじゃない」

 ああ、何日か前に硝子に手をついて怪我したやつ。誰も気付かないから手当もしてない。痛いと思ったら化膿してたのか。

 お姉さんは少し考えたあと、僕の手を引いた。

「え、ちょ、何処行くのさ」

「近くで手当てしてくれる人を知っているから、ついて来て。ダグラス、カティアの所へ行くわね」

「畏まりました」

 恭しくお辞儀をし、おじいさんは周囲に目配せした。てっきりその場で待っているのかと思ったら、律儀に後ろを付いて来る。来なくていいのに。


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