空の誓い、海との約束
「不躾に見つめたりしてごめんなさいね。手伝って貰えたら助かるわ、えっと……」

「シエ……っと、シェリフ。リフって呼んでよ」

 流石に本名はまずいだろうと、咄嗟に違う名前を名乗ったのだけど、今度はお姉さんだけじゃなく場違いなおじいさんまで僕を見たまま固まった。

 何だ、何なんだ。何かおかしなこと言ったか、僕。

「エマしゃまー、はやくー」

 はっとしたように、お姉さんはふわふわプレゼントを再開した。一瞬、瞳が潤んだような気がしたけど……まあ、いいか。

 僕が箱から取り出してお姉さんに手渡し、お姉さんが子ども達に手渡す。

「ありがとう、エマ様大好き!」

「お兄ちゃんもありがとう!」

 ありがとう。

 ありがとう。

 ありがとう――

 何だろう。初めて感じる、この不思議な感覚。

 白いふわふわ狙いの下心ありありで手伝った。だけど、嬉しそうな子ども達の笑顔を見るたび、舌ったらずな感謝の言葉を貰うたび、そんな気持ちは溶けてなくなっていた。すごく、不思議だ。

 最後の一人に白いふわふわをプレゼントした後、お姉さんは僕に笑いかけた。


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