空の誓い、海との約束
 子どもたちに、綿飴をプレゼントする。身分無関係に先着順、えこひいき無し。

 その僕の計画を、飴屋さんは快諾してくれた。セルヴィ・タリクトラムと名乗った店主は僕が計画を話している間中僕の顔ばかり見ていた。正確に言うと、目を覗き込んでいた。

「……僕の眼、そんなに変?」

 わざとそう聞いてみると、セルヴィはすごい勢いで両手を振った。

「滅相もございません、シエル様。ただ、」

「ただ、何?」

「いえ、お噂は聞いておりましたが、まさか本当に――」

 何か言いかけたまま彼は僕の目を見つめる。

「忌み子の目だー、って?」

 そう言って僕は肩を竦めて笑った。

「いいよ正直に言って、慣れてるから。それよりさ、僕の話ちゃんと聞いててくれた?」

「はい、シエル様。当店をお選びいただき光栄でございます」

「百個作るの大変かもしれないけどよろしく頼むね、セルヴィ。あ、心配しないでね、ただでとは言わないから。きちんとお代は払うよ」

 一瞬の間の後、セルヴィは笑い出した。楽しそうに笑っているのに、どんどん眼が潤んでいく。

「どうかした?」

「いえ、」

 ごつごつした手の甲で軽く目尻を押さえた後、セルヴィは僕の手を握った。

「貴方のような方も王族にいると分かって、良かったです」

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