空の誓い、海との約束
「お目覚めでございますか」

「わっ」

 突然低い声がして、僕は文字通り飛び上がった。昨日、僕のためにマリーを呼んでくれた警備の人だ。

「御加減は如何でございますか、シエル様」

「あ、うん、とっても楽だよ。ありがとう」

「それは良うございます」

 彼は厳つい顔で微笑んだ。強面だけど、笑うと何だか愛嬌がある。

「ねえ、君。名前は?」

「ジョイと申します」

「ジョイ。一つ聞いてもいいかな」

「何でございましょう」

 僕は気になっていた事を尋ねた。

「どうして昨日、僕の為にマリーを呼んでくれたの?」

 少しの間を置いて、ジョイは答えた。

「昨日の一件の全責任がシエル様にあれば、マリーを呼びは致しませんでした」

「どういうこと?」

 ジョイが何を言いたいのかよく分からない。

「自分の仕える御方が無謀な事をなさろうとする場合、諌めるのは臣下の役目です。シエル様の悪戯は確かに無謀であり、御自分の立場を自覚していただく必要がございます」

 ジョイは何気にさらりときついことを言う。でも正論だから反論は出来ないし、しない。


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