空の誓い、海との約束
終わりは、始まり
「最悪だ……」

 客室に戻るなりソファに突っ伏し、僕は呟いた。

 最悪だ。知らなかったとはいえ、女王陛下にタメ口をきいた挙句お姉さん呼ばわりし、傷の手当てから支払いまでさせてしまったなんて。

「終わった、この見合い……」

 道理でエマお姉さんにタメ口利いた時、ダグラス老人が異常に反応していた訳だ。

 ていうか、その場で無礼者とか一喝してくれれば、僕だって失礼をしなくて済んだのに。

「女王陛下との謁見は如何でございましたか、シエル様」

「もう、最悪……」

 成果を尋ねる指南役に僕はそう答えた。

 万が一万が一言われたし、どうせ選ばれる訳無いって思ってた。でも、自分なりに頑張ろうとは思ってたのに……頑張る以前にやらかしてしまったとは。

「何か失礼をしてしまったのですか」

 心配そうな付き人に僕は首を横に振った。

「謁見はちゃんと教えられた通りに出来たよ。挨拶も手順通りに出来たし、台詞も一字だって間違わずに言えた。陛下も歓迎してくださったし、お優しい言葉も頂いた」

「上々ではございませんか」

 指南役が軽く両手を叩いて褒めてくれた。てっきり僕が何かやらかすと思っていたらしい。失礼な奴だ。


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