空の誓い、海との約束
 僕の斜向かいに居る男性陣がこちらを見ていた。にっこり笑って会釈して、僕はそっぽを向く。

 来るぞ、聞きなれた噂話が。

「……あれが噂の第六王子ですか」

「聞く所によると嫡出かどうかも疑わしいとか言う……」 

 聞こえるように言ってるんだろうな、という声量で彼らは話す。ご勝手にどうぞ、慣れておりますから。僕はわざとらしく溜息をついて腕を組んでやった。

 指南役が見てたらまた引っぱたかれるかもな。へーんだ、知るもんか。喉元過ぎれば熱さ忘れる、だ。

 あれは対象外だ、気に留めることも無い。まあ、一応呼んでおかなければ色々面倒だからなあ。そんな彼らの大っぴらな陰口を聞きながら、僕は人物観察を続けた。

 数人の貴婦人にお声を掛けて貰い、有難い指南役様のお教え通りに応対した。同い年位の御息女様のお相手に良さ気と思われたみたい。

 でもねおばさん、僕にも好みがあるんだよねえ。

 ゆったりした音楽が流れてきて、舞踏会の始まりを知らせた。

 それぞれ思い思いにパートナーを見つけ、連れ立って舞踏会会場に向かう。一番最後に、僕は一人で皆の後に続いた。



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