空の誓い、海との約束
「お高くとまってないでたまには付き合えよ」

「……申し訳ございませんが、職務中ですので」

 初めて声を聞いた。あの人、喋れたのね。

 彼の冷淡な返答にむっとしたらしく、ランディは彼に掴み掛かった。

「来いって言ってんだろ。自分の立場分かんねぇのか、賤民」

「…………」

 ランディがあんな怖い話し方をするのを初めて聞いた。どうしてそんな話し方をするの?

 返事もせず反応もしないリフの胸倉を乱暴に掴み、ランディは言った。

「来いよ。今日こそ私刑執行してやる」

 どうしよう、喧嘩になっちゃう。誰かを呼んでこなきゃ、と震える足を一歩忍ばせた時。

 鈍い音と短い呻き声がして、私は振り返った。

 さっきまでリフの胸倉を掴んでいたランディが、力なくへたり込んでいた。

 リフの右手が握られているのを見て、彼がランディの鳩尾を一突きしたのだと分かった。


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