空の誓い、海との約束
暗闇の中の一条の光
 一晩うじうじと悩んだ末、私は重い気持ちでお父様の部屋に向かった。あの後彼が無事だったのかどうしても確かめたかった。

 あんなに怪我をしていて死んじゃいそうだったのに、お花を丁寧に包み直してくれた事に胸を打たれた。

 怖そうな人だけど、本当は優しいのかもしれないと思った。

 お父様の部屋の前で、ランディに会った。

「エミリア様、どうなさいました? 何だか元気が無いですね」

 いつもと同じ笑顔で話しかける彼。いつもなら嬉しいと思うのに、今日は怖いと思った。

『二度と目が覚めないようにしてやる』

 こんなに優しそうな笑顔なのに、陰であんな恐ろしい事をしているなんて。

 人の言動の表と裏、明と暗。

 知らなかった現実を見せ付けられて、幼心に人を信じるのが怖くなった。

 ぽろぽろと涙を零しだした私に、ランディは驚いて屈みこみ目線を合わせた。

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