空の誓い、海との約束
「今しばらくご辛抱ください。夜明け前には島に着きます」

 怖くて、悲しくて、心細くて。私はリフの服の裾を掴んだ。

 数拍間をおいて、リフの手が私の肩に置かれた。宥める様に、慰める様に。

 島に着くまでの間、リフも私も無言だった。




 彼の宣言どおり、夜明け前には島に着いた。本国では小レシュノルティアと呼んでいる島だ。

 馴れた手つきで船を繋ぎとめ、彼は私の手を引いて街へと向かった。

 家が一杯並んでいる中に一軒だけぽつんと離れて立っている、二階建ての小さな建物の中に二人で入った。

 中は綺麗だった。リフは明りを点け、私をソファに座らせ、暖炉に薪をくべた。私はただぼおっと彼の動きを見ていた。

 しばらくして温かい飲み物を手にリフは私の前に戻ってきた。

「どうぞ」

 私は差し出されたカップを受け取って、横に立っているリフに尋ねた。

「お父様は、どうなったの?」

 リフは私を見つめた。彼の表情から、最悪の事態が起きている事を感じ取った。

 悔しそうに目を伏せた後、彼は深く深く頭を下げた。


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